カマグラ、ゼニカル、バイアグラの通販ベストくすり 俊傑憂憤の集い 吉田松陰
俊傑憂憤の集い集長渡邊喜楽の活動の一端をご紹介します。 また、不定期でグダグダではありますが雑感や自分自身が学んだ事などのメモ代わりとして使って行きます。意味不明なものはスルーしてくださいませ。
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山岡壮八「吉田松陰」から

●国体

万世一系、天壌無窮、一視同仁、一君万民、君民一体、神州

(1)P.249 青竹の目 
「いやあ、こんなに愉快なことはない。友あり、遠方より来たって、月下に天下の志を語る。天地神明も照覧《しようらん》あれ、これ、一片の私心もない三俊傑憂憤《ゆうふん》の集《つど》いなりだ」
宮部鼎蔵は、自分の瓢《ひさご》で自分の盃をみたして乾《ほ》すと、「ここで拙者は、もう一つだけ吉田氏に無礼な放言……そう、放言を呈したい。お許しくださろうか吉田氏」
「望むところです。両兄を知って、吉田矩方、心がひらけて来たような気がします」
「さて、余の儀ではござらぬ。孟子尽心章《もうしじんしんしよう》に、人民と君主との関係について、こういう一節がござる。民を貴《たつとし》となす、社稷《しやしよく》これに次ぐ、君を軽ろしとなす……と」
「異国唐土の君臣観として、矩方もその一句はそらんじています」
「この意《こころ》はまことに明瞭。君を軽ろしとなす……人民の仕合せを計れないような君主では君主の資格はない。民あっての君主ゆえ、民を苦しめるようになった時には、その国を倒して、誰にても天子に取って代ってよい……と、解して誤りはござらぬなあ」
「その通り。禅譲放伐《ぜんじようほうばつ》は唐土の思想。わが日本国では通用させてはならぬことと思います」
「わが日本国は万世一系、神ながらの天子におわす。それゆえ、これも前記の一節とおき替えると……君を貴となす。社稷これに次ぐ、民を軽ろしとす……これでご異議はござらぬか」
「いかにも、わが日の本の一君万民の、君は、決して、一人の人間である君主を指すものではない。この宇宙に芽生えた生命の根源、万物を産み給うた真理の象徴としてこれをいただく。ゆえに根源の君なくんば末々に民のあるいわれなし。したがってこう言い変えてもよいはずです。──わが生命の根源は神聖なれば、われ人ともに犯すべからずと」
大次郎が朗々と答えてゆくと、宮部鼎蔵は、月光を額に受けてニヤリと笑った。
どうやら彼は、大次郎を自分の論陣の壺《つぼ》の中へ誘い込むために、孟子などを持ち出して来たものらしい。
「これはよい事を承った……わが日の本の天子は、生命の根源なり……生命あっての物ダネとはここのことか。生命の根源は、神聖なれば何人《なんぴと》もこれを犯すべからず……そうでござったな?」
「その通りです」
「神聖にして犯すべからず……ということは誰も曲げることのできない、いや曲げることを断じて許さぬ、絶対なのだという意味にとって間違いござるまいか?」
「ご念には及びません。それゆえ、いかなる逆臣奸雄《かんゆう》が現われても、ついに今日まで、万世一系、無窮の皇位は継承されて来ています。これが何よりの証拠になりましょう」
宮部鼎蔵はまた笑った。いよいよ彼の思う壺へ相手を誘い込んで来たらしい。
「されば、山鹿流を奉ずる軍学者、吉田先生に一つの仮説をお解き願いたい。まことに恐れ入った仮説ながら、今日、日本の民はあまり仕合せではござるまい」
「いかにも」
「そこで、異国の学説にとらわれた実力ある諸侯が出て来て、民こそ尊しと、天子に戈《ほこ》を向けて攻めかかったおりには何となさるぞ!」
大次郎はキッとなった。相手が何を考えてこのような論戦をしかけて来たのか、それがようやくわかったからだ。
「その時には、わが日の本には……吉田矩方あり、宮部鼎蔵あり、同志と共に逆徒の前に立ちふさがり、源流を失う愚を止めよ。すべてのものは中心を失えば周囲もまた崩れるものぞ。源流を枯らして何の末の大河ぞと百方この理を説きあかし、伏さぬ時には断乎《だんこ》討つのみ」
「さらば仮説を進め申そう。そのおり天子は、逆臣に同情を寄せたまい、もってのほかの討伐と、吉田矩方とその同志に討手を向けさせられた。そのおりには何となさる?」
意地わるい追究だった。が、こうなれば、大次郎も一歩も退けない。彼は凄まじい眼をして月を睨んだ。
「そのおりには、御前に罷《まか》り、ひれ伏して、ただただ天子の感悟を祈るのみ」
「決してお手向いはせぬと言われる?」
「言うまでもないこと。君こそ貴しの理を忘却しては異国人ではあっても決して神州の民ではない。お手向いなどはもってのほか!」
「さりながら……」
と宮部鼎蔵はぐっと上半身をのり出して、
「さりながら、不幸にして天子の激怒はおさまらず、ついにみなの首をはねよと命ぜらる。いや、おんみずから剣を取って立ちあがられた。そのおりには!?」
「そのおりには……」
さすがの大次郎も、これほど意地わるい仮説の戈《ほこ》で突き立てられようとは思いも寄らず、あやしく話がもつれそうになった。
「そのおりには……御前にひれ伏したるまま死せんのみ」
 それを聞くと宮部鼎蔵は怒号に似た声でさらに迫った。
「天子のお怒りなおも止まず、億兆の民、みな吉田矩方にくみせしとして、一人も残らず斬らせたまう……それでも足下《そつか》は仰せのままに死なるるか!?」
とたんに大次郎も憤然として声を張った。
「いかにも!一人でも残ってあるうちは御前にまかり出でて斬られよう。一人残らず死んだおりに神州は亡《ほろ》ぶ……亡ぶからとてこの理をいささかも曲げぬところに、日の本と異国の差がござる。絶対とはそのように厳しいもの。この理の胸にとおらぬうちは神州の民ではござらぬ」
 大次郎が叫ぶように言い終るのと、宮部鼎蔵が子供のように声をあげて泣き出すのとが、一緒であった。
「許されよ吉田氏……ありようもない仮説をひっさげて貴殿の学を試みる……そうせずにいられない苛立《いらだ》ちがずっと拙者の胸にわだかまってあったのです」
言い終って、むしろ茫然としている大次郎の前へ、宮部鼎蔵はこんどは激しく両手を突いていった。
「日本国は神国なり。天壌《あめつち》と共にきわまりなし……この天壌無窮《てんじようむきゆう》の文字や言葉は残っていても、その内容はもはや、誰にも理解されない空語になってしまったのであるまいかと……ところが、いま吉田矩方によってその語は立派に甦《よみがえ》った。われわれ万物の生命が、この世に芽生えた……その事実は限りない天地の、凡慮《ぼんりよ》にては計りがたい一視同仁の慈悲による……この理を踏まえて歌いあげたわが朝の創世の詩の美しさはどうであろうか!よほど高貴高邁《こうまい》の精神を持つものでなければ、眼にも見えず、舌にも乗らぬ。
 われわれの遠い祖先はそれを見、それを味わい、それを畏んで、生命の根源である皇室のもとに結集して、君民一体の国造りをなされた……申すまでもなく大君とは生命の根源の謂《いい》、われわれ神州の民はその枝葉。枝葉をことごとく断《た》てば、その根も枯れるは必定……さりとて枝葉のむしばまれたるを正そうとして、その根を断ってよいものではござらぬ」
 宮部鼎蔵は、両手を突いたまま小児のように泣きじゃくった。「このように嬉しいことはござらぬ。天壌無窮は、生命の永遠を示すもの……この地上の生命を永遠ならしめようとすれば唐土の放伐思想では相成らね。それでは時おり麻のように天下は乱れて、ほんとうに万民を枯らしかねまい。地上の生命を永遠ならしめようと希うならば、すべからく神ながらの道を歩め。神州のみでも一君万民のまことの理をふまえて歩け……一君の道徳は、民草すべての栄えに注ぐ一視同仁のご慈愛。このすめらぎの道のもとに、民は絶対の帰伏《きふく》でこたえる。この、君民一体の偉大な詩の実践がなければ、生命の永遠は期しがたいぞという絶対の理……この理が実は、今の世からは消えてござる。この理さえ甦ってあれば、何の国難、何の夷狄……そこで宮部鼎蔵は、いっさいを捨てて旅に出よう……としている矢先に貴殿に引き合された。これこそ神明のお引き合せでなくて何であろう。俊傑よ!わが無礼な仮説の試みを許し給え!」
 大次郎は、あまりに凄まじい宮部の情熱に押しまくられて、すぐには彼の肩も叩けなかった。


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【2009/04/08 12:55】 | 未分類
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